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RAZER【現行最強マウス】DEATHADDER V3 PROは買う価値があるのか?

deathadderV3pro

 8月にRAZER DEATHADDERシリーズの最新モデル、DEATHADDER V3 PROが発売されました。e-スポーツ用のモデルとして多くのプロゲーマーから絶賛された前作V2 PROを大幅にアップデート。握りやすく使い易い形状以外にも、基礎スペックを大幅に向上しています。価格は約25,000円と決して安くはありませんが、ゲーミングマウス界のベンツともいえるDEATHADDERの新モデルの使い心地を検証していきます。

DEATHADDER V3 PRO基礎スペック

最大感度(DPI)30,000
最大加速度(G)70
最大速度(IPS)750
サイズ長さ: 128.0 mm/幅: 68.0 mm/高さ: 44.0 mm
重量63g(ホワイトは64g)
バッテリー持続時間最大120時間
フォームファクタ右利き
プログラム可能なボタン5
オンボードメモリプロファイル1
スイッチセンサー第 3 世代オプティカルマウススイッチ
(耐久9,000万回)
ポーリングレート1,000Hz
(HYPER POLLING WIRELESS DONGLE使用時4,000Hz)

搭載されたセンサーはFOCUS PRO 30Kオプティカルセンサー。現行のどのゲーミングマウスより優れた基礎性能の高級センサーです。前モデルに使用されたFOCUS +センサーとの比較も見ていきましょう。

FOCUS PRO 30KオプティカルセンサーFOCUS + オプティカルセンサー
30,000DPI
(+33.3%)
20,000DPI
750IPS
(+13.3%)
650IPS
70G
(+28.5%)
50G

最大感度は+33.3%の30,000DPI、最大速度は750IPS(+13.3%)・最大加速度は70G(+28.5%)と前作よりも大幅にスペックが向上しています。

マウス感度は4,000DPI以下で使用する事が殆どであるため、30,000DPIはオーバースペック。実際に30,000で運用する事はありませんが、最大値が大きい分より動作が安定し、高い精度でマウス操作が出来る印象があります。速度や加速度も従来より向上し、激しい動きに対応できるようになっています。

ボタン数オンボードメモリファイルは少なくなっていますが、e-スポーツのプロゲーマーからのフィードバックを参考にしているため、少なくても問題ないから減らしたと思われます。個人的にはDPIを瞬時に切り替えるため、オンボードメモリプロファイルはV2 PROの時同様5個はは欲しかった。

スイッチセンサーも第二世代から第三世代のオプティカルマウススイッチにグレードアップ、耐久性が増して9,000万回クリックの耐久試験をクリアしています。壊れるまで使う事は稀なので、あまり気になりませんがスイッチがヘタレて使えなくなる事はなさそうです。

Pkinta

センサーの基礎スペックに関しては、FPSゲームでしばらく使い込んで馴染んだ後に、旧モデルに切り替えると「なんか反応が鈍いな?」と感じるぐらい性能がアップしています。逆に普段使いやMMOゲームのプレイにはレース用のマシンで公道を走るぐらいオーバースペックです。

より使い易いフォルムに進化

右手専用の非対称エルゴノミック形状なのは変わりませんが、プロゲーマーのフィードバックを受け、基礎スペック以外にもフォルムや重量も改善されています。

軽さは強さ、重量63g

実際に触って最初に気が付いたのは軽さです。前モデルのV2 PROも左程重たいマウスではありませんでしたが、V3 PROは同じモデルとは思えないぐらい軽くなっていました。

DEATHADDER V3 PRODEATHADDER V2 PRO
63~64g(-25%)88g
長さ: 128.0 mm/幅: 68.0 mm/高さ: 44.0 mm長さ: 127.0 mm/幅: 61.7 mm/高さ: 42.7 mm

重さは63g(ホワイトは塗料の関係上64gと少し重たい)。殻をむいた茹で卵とほぼ同じ重量です。

なんと前モデルから約25%以上も軽量化しています。持ち運びするモバイル用マウスや、軽さを売りに【軽量級】をうたうゲーミングマウスと遜色ないレベルの重量です。

DEATHADDERより軽いワイヤレスマウスのPulsefire Hasteは、ボディに穴を空け肉抜きし軽量化していますが、DEATHADDER V3 PROは肉抜き無しでこの軽さです。

他社の軽量級ワイヤレスマウスと比較
DEATHADDER V3 PROPulsefire Haste(HyperX)M42 WIRELESS(Xtrfy)
63~64g61g67g

軽いほど手に余計な力を入れる必要がないため、長時間使用時の疲労も軽減出来ますが、それ以上にリラックスした状態でマウス操作が出来ます。コンマゼロ秒以下の操作スピードと、ミリ単位の精度が求められるFPSゲームでは、身体を動かすスポーツ同様、軽くて力を入れずに扱えるアイテムはパフォーマンスに大きく影響してきます。

Pkinta

FPSゲームでは軽さは武器になります。

メインスイッチが独立パーツに

左右のメインスイッチが本体カバーと分割され、クリック感が変わりました。これは賛否両論あると思います。スイッチカバーが独立した事により、しっかりとした手応えと反発が出るようになっています。しっかり反発するためスイッチが連打しやすく感じます

逆に分割された事でてこの原理によるクリックの軽さが失われ、純粋に指の力で押しこむ必要があります。スイッチが硬く感じてしまいV2の使い心地になれたユーザーは違和感を感じるかもしれません。

頂点位置の変更

V2 PROと見比べて気が付いたことですが、マウスの一番盛り上がっている頂点位置が変更されていました。V2 PROはマウス後部の真ん中が頂点となっていましたが、V3 PROは頂点位置が少し左側にズレ、より手にフィットしやすいフォルムとなっています。

自分で実際にマウスを握ると判るのですが、水平な机の上でマウスを握ると、小指側に重心が偏り手首が少し外側に開くと思います。肘を曲げ手のひらを下に向けた姿勢は、骨格の都合上維持しにくく動きにも制限がかかってしまいます。頂点を左にずらした事により、手首が自然に外側へと開き手のひらに吸い付くようになりました。

グリップが良くなった以上に、手首への負担が減り左右前後へのマウス操作がスムーズになっています。

フォルムが緩やかに

DEATHADDERシリーズは、左側面が大きくクビレ先端が扇状に広がったヒョウタンのような独特のフォルムでしたが、V3 PROからはカーブがかなり緩くなっています。

扇状だった先端カーブが緩くなった分、右側先端に薬指をそえるためのスリットが追加されました。左側面のクビレもカーブが緩くなった分、サイドスイッチ位置が外側にはりでています。前モデルでは親指をしっかり内側に曲げてサイドスイッチを押す必要がありましたが、V3 PROは自然な角度で押せるスイッチ配置となっています。

HYPER SHIFTでスイッチの数を補強

DEATHADDERは軽さやスイッチの押しやすさを追求したためスイッチの数が5個しかありません。キーボードのショートカットでも補うのは可能ですが、操作しやすい利き手のマウスにボタンが多い方が便利です。

HYPER SHIFTは、ボタンスイッチの割り当てアクションを切り替える機能です。押している最中は、各ボタンの割り当てアクションを切替て使えるので、スイッチに2倍近いアクションを割り当てる事が可能です。

滑り止めグリップシールでグリップを補強

本来ならオプションの滑り止めグリップシールが最初から同梱されています。たかがシール1枚と侮っていましたが、わざわざ同梱されているだけの意味がありました。

単純にグリップ力が増すので操作ミスが減ります。シールがない状態でも滑りにくい表面ではありますが、手汗などでどうしても滑る事はあると思いますが、シールを貼っておけばほとんど滑らなくなります。滑り止めシール単体のAmazonレビューでも、滑り止め性能は高く評価されています。

シールなのでグリップ力が弱まってきたら新しいシールを貼り替えるだけ。簡単なメンテナンスで性能を維持できるのは嬉しい所です。

進化したマウスAI機能

操作や設定などが快適になるマウスのインテリジェンスの部分も進化しています。

26段階の非対称カットオフ

リフトオフディスタンスとランディングディスタンスを個別で設定可能(非対称カットオフ)です。以前は3段階の設定のみでしたが、V3 PROからは26段階微調整が出来るようになりました。

マウスをマウスパッドから離すと、一定の距離でセンサーを認識しなくなります。この距離をリフトオフディスタンスと言います。一方、再度近づけて反応し始める距離はランディングディスタンスです。

マウスを浮かしてマウスパッドの端から中央にマウスを移動させるさいの、センサーの反応しなくなる距離と反応し始める距離が別個に設定できるため、マウスパッドの特性や操作の癖に合わせて使いやすい調整を探ることが出来ます。

スマートトラッキング

マウスパッドの硬度・素材・表面は各パッドごとに全然違うため、別モデルや別メーカーのものに変更すると、マウス設定も微調整する必要がありました。スマートトラッキング機能をオンにしておけば面倒な設定が必要なくなります。マウスパッドの表面をセンサーで自動認識し、自動で最適な設定に調整してくれます。

ガラス面でも使用可能

光学式マウスセンサーの弱点ともいえるガラスの上での使用も可能になりました。厚さ4mm以上のガラスという縛りはありますが、これでほぼ全ての素材の上で使用可能です。

Razer Synapsと連携

Razerのゲーミングギアといえば、専用ソフトのRazerSynapsです。DEATHADDER V3 PROとも連携しています。DPIなどセンサーの微調整や各種機能のオンオフ切り替え可能です。

HYPER POLLING ワイヤレス ドングル

機能拡張のワイヤレスドングルはあった方が便利です。

ポーリングレートを最大4,000Hz(4倍)まで引き上げられるため、有線マウスと遜色ない反応速度となります。またバッテリー状態をRGB点灯で知らせる機能も便利です。

しかし現行のFPSゲームではワイヤレスマウスは1,000Hzで充分です。逆に高すぎるとエラーが発生する事もあります。また通信頻度があがるためマウスのバッテリー消耗も早くなってしまいます。動きは確実に滑らかになりますが、無理して買わなくても問題ないと感じます。

DEATHADDER V3 PRO総評

Pkinta

RAZER DEATHADDERシリーズ最新モデル、V3 PROを紹介させて頂きました。改めて総評です。

DEATHADDER V3 PRO総合評価
フォルム
機能
センサー
重量
価格

性能から考えると現行マウスの中では最強の一角と言えるレベルに仕上がっています。しかし値段が高すぎるのが難点です。Logicoolなど他社の軽量級ワイヤレスマウスであれば半額で購入可能です。

買っておけばプロレベルの試合まで問題なく性能を発揮できるゲーミングマウスですが、エントリークラスとしてはハイスペックすぎます。免許取り立ての大学生に新車のベンツを買い与えるぐらい宝の持ち腐れになってしまいます。ワイヤレスマウスであればLogicoolGのG703hあたりが丁度良いでしょう。

しかし今のマウス性能に納得のいかない中上級者レベルのFPSゲーマーにはバッチリはまる性能です。DEATHADDERの新モデルが出る数年先まで良い相棒になってくれること請け合いです。

DEATHADDER V3 PROまとめ

  • 性能はプロ仕様だが価格が高い
  • 初心者にはハイスペックすぎて宝の持ち腐れ
  • 中上級者FPSプレイヤーにオススメ
  • この記事を書いた人

Higamer

元極め社畜の専業ブロガー(ブログ歴2年) 趣味はパソコンの改造・FPS・筋トレです。FPSのキルレシオは地を這っています。

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